「賃貸の緊急連絡先は嘘でも良い?」
緊急連絡先を任せられる相手がいない人の中には、嘘を記入して対処しようと考えている方もいるかと思います。
本記事では、賃貸契約時の緊急連絡先で嘘をついても良いのかについて詳しく紹介していきます。嘘をつくリスクと頼む相手がいない人に向けて対処法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
- 緊急連絡先で嘘をつくとどうなるか
- 頼める人がいない場合の対処法
- 頼める相手の条件
賃貸の緊急連絡先は嘘でも良い?
賃貸の緊急連絡先に嘘の情報を記入することはおすすめできません。賃貸審査の際に、緊急連絡先も登録情報の確認が行われるため、嘘を記入するとすぐに見破られ変更を求められます。
保証人とは違い、公的書類を使用したチェックは行われませんが、無断で他人の連絡先を使用したり、実在しない電話番号を記入したりすると気が付かれるので嘘はやめましょう。
気が付かれた時点で変更を求められる
嘘を記入した場合、基本的に登録情報の確認で気が付かれて変更を求められます。間違えていたとごまかせないこともありませんが、悪い印象を持たれてしまいます。
軽い気持ちで嘘を記入するのは絶対にやめましょう。なお、一度嘘に気が付かれた時点で契約を断られるケースもあります。
契約を断られる
嘘の連絡先を記入し、見破られた際に悪質な行為だと判断されると、変更の余地を与えられずに契約自体を断られてしまう場合があります。
契約を断られた場合、管理会社や不動産仲介業者で要注意人物として記録をとられ、今後の利用に悪影響を及ぼします。嘘を記入する行為は簡単に行えますが、メリットとデメリットを比べると圧倒的にデメリットの方が大きくおすすめできません。
嘘を記入するよりおすすめの対処法
嘘を記入することは、おすすめできません。親族に頼めず嘘で切り抜けるか迷っているのであれば、下記の対処法を参考にしてください。
- 友人や恋人に頼む
- 緊急連絡先代行サービスを利用する
- 弁護士・行政書士と契約する
- NPO団体に相談する
- 緊急連絡先が不要な物件を探す
友人や恋人に頼む
緊急連絡先は、親族に頼む方が多いですが、事情があり親族に頼めない場合には、友人や恋人に頼んでも問題ありません。親族に頼むことだけが困難な場合には、友人や恋人に頼むことを検討してみましょう。
続き柄はそのまま友人や知人などと記入すれば問題ありません。
緊急連絡先代行サービスを利用する
最もおすすめの対処法は、緊急連絡先代行サービスを利用する方法です。緊急連絡先代行とは、身寄りがない、親族と絶縁しているなどの様々な事情で緊急連絡先を頼む相手がいない人から緊急連絡先の代行依頼を請け負っているサービスです。
代行サービスを利用すれば、年間1~3万円前後の費用で誰でも緊急連絡先を確保できます。親族にも友人にも頼れない場合は、代行サービスの利用を考えてみてください。
なお、代行は事情を抱えている人向けのサービスではありますが、利用に制限はなく知人に迷惑をかけたくない人でも利用が可能です。
弁護士・行政書士と契約する
緊急連絡先は、弁護士の顧問契約や行政書士の成年後見制度を頼ることでも対処できます。頼む相手がいない場合は、代行サービスとあわせて弁護士・行政書士との契約も考えると良いでしょう。
法律の専門家である弁護士や行政書士に依頼することで、トラブル発生時の適切な対応が期待できます。デメリットは、ほかの対処法と比べて費用が高額で、年間3~10万円ほどの利用料がかかることです。
NPO団体に相談する
緊急連絡先は、NPO団体に相談することでも対処できます。
NPO団体とは、営利を目的としない社会貢献活動を行う民間の組織です。NPO法人には様々な分野で活動する団体があり、住居支援や生活支援を行っている団体であれば緊急連絡先を依頼できる場合があります。
相談する際は、事前に必ず利用条件やNPO団体の活動内容を確認してから問い合わせましょう。
緊急連絡先が不要な物件を探す
おすすめはできませんが、緊急連絡先が不要な物件を探すことで、連絡先の提出自体を回避する方法もあります。
緊急連絡先の提出は、法律で定められているわけではなく、大家さんや管理会社の希望で提出を求められています。そのため、賃貸の中には緊急連絡先が不要で借りられる物件も存在し、そういった物件を選んで借りれば緊急連絡先を用意せずに賃貸契約が可能です。
おすすめできない理由は、緊急連絡先が不要な物件がほとんど存在しないからです。0ではありませんが、自力で探すことは簡単ではありません。
賃貸契約時の緊急連絡先は誰に任せるべき?
緊急連絡先に選べる相手には、以下のような決まりがあります。
- 3親等以内の親族
- 親しい友人や知人
3親等以内の親族
緊急連絡先は、実際に対応が必要になった際に協力を得られる可能性が高いことや、時間の経過で関係性が変わらないことなどの理由から、原則3親等以内の親族に任せるという決まりが存在します。
頼める場合は、極力3親等以内の親族に頼むようにしましょう。3親等以内に該当する人は、以下の通りです。
- 祖父
- 祖母
- 父
- 母
- 兄弟・姉妹
- 子
- 孫
頼めそうな相手が複数いる場合は、連絡がつきやすい人や優先して連絡してほしい人を選ぶと良いでしょう。
親しい友人や知人
緊急連絡先は、できる限り親族に頼むべきという決まりがありますが、親族に頼めない場合は友人や知人に任せても問題ありません。親族を頼れない場合は、親しい間柄の友人や知人を選ぶと良いでしょう。
友人や知人を選ぶ場合は、続柄をそのまま友人・知人と記載します。無許可で人の連絡先を記入するとトラブルになるため、相手の許可は必ず事前にとっておきましょう。
賃貸契約時の緊急連絡先に選べない相手は?
緊急連絡先は、親族を選ぶことが好ましいとされているものの、基本的には誰を選んでも問題のない役割です。しかし、例外として以下のような特徴に該当する方は、登録時に変更を求められる可能性があります。
- 電話対応が困難な人
- 未成年者
- 国外に住んでいる人
電話対応が困難な人
緊急連絡先に登録する際には、電話番号と住所を記入する必要がありますが、緊急の連絡は基本的にすべて電話で届きます。
下記のような理由で電話での対応が困難な人は、緊急連絡先に選ばないようにしましょう。
- 電話口でのスムーズな会話ができない
- 電話を持っていない
- 会話の内容を記憶できない
電話対応ができない人、苦手な人に緊急連絡先を任せる行為は相手の迷惑にもなります。
未成年者
緊急連絡先に、未成年者は登録できません。未成年者には、緊急時の適切な判断や対応が困難だと考えられるからです。親族であっても未成年者は避け、必ず成人済みの相手を選ぶようにしましょう。
なお、登録時には年齢や生年月日などの情報が必要なため、未成年者である事実を隠して登録することはできません。
国外に住んでいる人
緊急連絡先の役割は緊急時の対応のため、簡単に連絡がとれない国外に住んでいる人は相応しくありません。登録時点で国外に住んでいる人へ頼むのは、相手が親族であっても避けましょう。
なお、申し込み時には現住所のみを確認されますが、今後国外への引っ越し予定がある人も登録を避けた方が無難です。
緊急連絡先が使用されるシーンとは?
緊急連絡先が使用されるのは、主に以下のようなシーンです。日常的に使用されることがないので、登録しても使用されずに契約が終了するケースも珍しくありません。
- 建物内で火災が発生した時
- 家賃を滞納して督促の連絡を無視した時
- 入居申し込み時
建物内で火災が発生した時
緊急連絡先は、建物内で火災が発生した際にも、入居者の安否確認や避難状況の確認目的で使用されます。入居者と連絡が取れない場合や避難が確認できない場合には、管理会社や大家から緊急連絡先に連絡をとり、入居者との連絡がとれているか情報の提供を求められます。
火災や地震などの災害は、どのタイミングで発生するかわからないため、できる限り日中でも連絡がつきやすい相手に連絡先を任せると良いでしょう。
家賃を滞納して督促の連絡を無視した時
緊急連絡先は原則緊急時に使用するための連絡先ですが、家賃を滞納して督促の連絡を無視した時にも使用される場合があります。
家賃を滞納すると、まず入居者宛てに手紙や電話で連絡が届きますが、届いた連絡を無視して滞納を続けると、緊急連絡先に連絡が入れられます。入居者と連絡が長期間とれずに家賃滞納状況が続いていると、管理会社や大家からは入居者の安否がわかりません。
安否がわからないと緊急連絡先に確認を入れられるため、家賃を期日までに支払えない際は、必ず管理会社か大家に連絡をいれましょう。
入居申し込み時
申し込み時には、登録情報に間違いがないか、同意しているかなどを確認する目的で一度使用されます。電話では、電話番号や氏名などの登録した情報の確認を目的とした質問が行われます。緊急連絡先を任せる相手には、申し込み後に電話がくると伝えておくと良いでしょう。
なお、申し込み時の確認電話は実施している会社としていない会社があり、一切確認が入らずに審査が終了する場合もあります。無断で知人の連絡先を記載したり、わからない項目を嘘で埋めたりすると確認電話で気付かれトラブルになるので注意が必要です。
緊急連絡先の登録に必要な情報は?
緊急連絡先の登録時に必要になる情報は、以下の通りです。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 生年月日
- 年齢
- 性別
- 続柄
- 年収
- 勤め先情報
会社によって登録を求められる情報に違いがあります。緊急連絡先情報は、申し込みの段階で必要になるため、あらかじめ相手に確認しておくと良いでしょう。各項目は、審査期間中の確認電話の際に相手に直接確認が入るため、嘘や適当な情報を記載してはいけません。
緊急連絡先の嘘に関するよくある質問
今回紹介するのは、以下の4つの質問です。
- 緊急連絡先は審査の対象ですか?
- 緊急連絡先に確認の電話は入りますか?
- 緊急連絡先の年収は記入必須ですか?
- 緊急連絡先は後から変更できますか?
緊急連絡先は審査の対象ですか?
一般的に、緊急連絡先は審査の対象ではありません。しかし、一部の会社では緊急連絡先相手の年収や信用情報のチェックも行っていると言われているため、可能な限り信用情報に傷がない相手を選ぶことをおすすめします。
緊急連絡先に確認の電話は入りますか?
利用する会社によっては、確認の電話が入る場合があります。確認の電話が入る場合にも、入らない場合にも事前の告知はないケースが一般的なため、連絡先相手にはあらかじめ、電話番号の確認で電話がかかってくる可能性があると伝えておくと良いでしょう。
確認の電話がかかってきた場合、長期間折り返さずに放置していると審査が進まないため、注意が必要です。
緊急連絡先欄にある年収の項目は記入必須ですか?
記入は必須ではありません。相手の年収がわからない場合や記入したくない場合は不動産仲介業者に記入が必要か直接確認してみると良いでしょう。
年収の項目が用意されている理由は、保証人欄とフォーマットを共有しているからであり、保証人のように申し込み時に証明書類の提出を求められることはありません。
緊急連絡先は後から変更できますか?
緊急連絡先は、後から変更が可能です。回数に制限なく何度でも変更できるため、重くとらえすぎずに頼む相手を決めると良いでしょう。頼める相手が複数人いる場合は、日中でも連絡が付きやすい人を選ぶことをおすすめします。
連絡先に設定していた相手の電話番号や住所に変更があった際は、なるべく速やかに登録情報の変更を申し出てください。
【まとめ】賃貸の緊急連絡先は嘘でも良い?
緊急連絡先の登録は、通常紙に各情報を記入する形で行われるため、嘘をつこうと思えば簡単に嘘がつけてしまいます。
しかし、緊急連絡先に登録された情報は、賃貸審査時に確認が入り、嘘を記入しているとその際に気が付かれてしまいます。嘘に気が付かれると、審査が中断され変更を求められるため、頼む相手がいないのだとしてもおすすめできません。悪質だと判断されると契約を断られる原因にもなります。
誰にも頼めない場合は、代行サービスの利用を考えてみてください。